HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

世界から2年半遅れて、ついにコロナ上陸

コロナ市中感染ゼロを2年半キープしてきたマーシャルだったが、2022年8月ついにコロナが島に上陸。やっと10日間の隔離生活を終えて、私たちが首都マジュロに戻ったその日に、海外渡航歴のない市民のコロナ感染が病院で見つかり、一夜にしてマーシャルの様子もコロナ禍に様変わりした。

コロナ感染者数ピーク時の、静まりかえった街中


市中感染が出たというニュースは、政府の発表前に瞬く間に島中に情報が伝達された。ハルが友達のSNSから「コロナ発生したらしい!」といち早く情報を掴んだ。そのあと私の携帯に学校のママ友から電話が来て「コロナがついに発生したわよ。気をつけて!」と、知らせてくれた。人づてに情報を聞いたレストランや店は慌ててその日の営業を終了したり、バスケの試合で集まっていた人々は感染を恐れて急いで家に帰ったりした。


その翌日から、島中みんながマスク着用。街は、コロナに備えて食料やマスクなどを買いだめする人々で混雑した。きっとこのころには既に感染者が一定数いて、知らない間に感染が広がったような気がする。市中感染の発生から最初の1-2週間で、感染者数は急速に拡大してピークに達した。従業員がコロナにかかって仕事に来られなくなり、店や銀行の営業に支障をきたした。私たちの周りでも、感染しなかった人のほうが珍しいぐらい、みんな感染したような印象だった。


学校も新学期早々にオンライン授業となり、この先どうなることやら、数ヶ月間はこのような状況のままなのかと思いきや、コロナ上陸から1ヵ月後には落ち着いて、新規感染者数もゼロや一桁に。国民のワクチン接種率が高かったことと、重症化しそうな人にはコロナ治療薬を処方できたので、重症化を抑え、第一波はうまく乗り越えられた模様。オミクロン株になるまで2年半鎖国して、その間に準備して島を守っていた甲斐はあったと思う。学校も9月中旬から通学が再開した。

学校も再開

政府が出していた、マスク着用義務も早くも解除。タクシーや飛行機の中など乗り物ではマスク着用とのことだけど、その他の場所は屋内・屋外、してもしなくてもいいことに。それぞれ会社・店・学校で独自にマスク着用ルールを設定することはできるとのこと。子供たちの学校では、屋外でも教室でもマスクしなくてOKになったので、もう外している生徒が多い。常夏でマスクは、暑くて本当に息苦しいから、大人もマスクを外している人が増えてきた。また第二波が来たら、状況をみて政府は再びマスク着用義務を発令する予定だそうで、ON/OFFの切り替えや、上陸前はあんなに怖がっていたのに、ウィズコロナの生活への適応が素早いなと驚くばかり。世界のコロナ対応の流れは今こんな感じで、日本人はむしろ切替できす慎重すぎてしまうのだろうか。


コロナが上陸して良かったこともあった。2020年3月から鎖国状態だったマーシャルの国境が2年半ぶりに、9月についにオープンした。もう隔離は不要!航空券を買って、ワクチン接種証明書があれば、いつでも入国できるようになった。出国しても確実に戻ってこられるようになったので、マーシャルから出国するマーシャル人が増えたように思う。