HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

マーシャルの高校生、アメリカへ行く1

ハルはこの夏、CLOSE-UP ワシントンDCというアメリカのプログラムに、マーシャル高校生代表団の一人として参加した。これはアメリカ各州の高校生がアメリカの中心部ワシントンDCに来てアメリカの過去と現在を学び、民主主義への積極的な参加者となるよう導くように設計されたプログラムだそう。このプログラムはCLOSE-UP財団が1971年から運営しており、現在まで累計約85万人が参加している。1980年代からマーシャル諸島の高校生もUS DOI(米国内務省島嶼問題局)から助成金を受け、航空券・宿泊代・参加費をすべて援助してもらい、マーシャルの各高校から1名ずつ参加しているとのこと。マーシャルの生徒はワシントンDCに8日間滞在したあと、ウィリアムバーグ1日、ニューヨーク3日間という内容。

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マーシャル高校生代表団は、マジュロ・イバイ・ジャルート・ウォッチェの各高校から一名ずつ校長推薦で選ばれた生徒が参加、高校生17名、引率の先生3名の合計20名。ハル以外は全員マーシャル人生徒だった。生徒の中には今回が初めての海外という生徒もいた。


出発の一週間前に、マーシャル教育省にて参加する生徒と保護者が集められ、説明会があった。そこで急に滞在中に開催されるインターナショナルナイトで披露するダンスの為にみんなでおそろい生地でドレスを作るから、出発までに各自で作っておくように言われた。私は焦ってマジュロの仕立て屋さんを回り、4軒目で間に合うように作ってくれる店をみつけた。


保護者のお父さんが海外を知らない子供たちを心配し、島から出たらこういう世界なんだぞ、と真面目に教えてくれた。お父さんいわく、「島からでたら人がいっぱいいるんだ。マーシャルとは人の数が大違いなんだ。ぼんやりしていたら、アメリカの空港ですぐグループとはぐれて迷子になってしまうぞ。迷子にならないように気を付けろ。うーん、やっぱり心配だから、みんなにお揃いのTシャツを着せよう。そうすれば空港ではぐれても、すぐ自分の集団がどこにいるかわかるから安心だ。」ということで、出発1週間前にお揃いのTシャツも用意することになった。

マーシャルから出発

マーシャルからワシントンDCへ行くには、マジュロ→ホノルル(5時間)、ホノルル→サンフランシスコ(5時間半)、サンフランシスコ→ワシントンDC(5時間)というハワイ・サンフランシスコ経由の乗り継ぎの多い長旅。最初の経由地ホノルルに着くのが深夜午前3時。次の飛行機に乗るまでハワイで5-6時間待たなければいけない。保護者からは、どこかホテルで少しでも休憩させられないか?と意見が出たけれど、予算がないのでできなかった。その代わりに、ハルによるとホノルルに深夜3時に着くと、誰かの車に乗ってみんなで空港近くのマクドナルドに連れていってもらえたそうだ。マクドナルドは閉まっていたけれど、外にベンチがあってマックのWiFiが使えるので開店までマックの前で過ごし、店が開いたらみんなで店内に押しかけて朝ごはんをゆっくり食べて過ごしたそうだ。ハワイのマックには”アイランド ブレックファスト”というメニューがあって、卵・スパム・ご飯のセットだそうで、みんなはそれを食べていたとのこと。いきなり野宿体験みたいになって大丈夫かなと思ったけれど、その後はずっとちゃんとしたグレードのよいホテルに宿泊だったそうだ。