雨の中でカーウォッシュ
１月の土曜日、ハルのクラスは街でカーウォッシュとBBQの販売をした。卒業式の費用を集めるためだ。８年生は中学最後の学年なので、５月末に卒業式がある。卒業式で着るお揃いのシャツやドレスを作ったり、卒業式のあとパーティーをするとなると、これから何かとお金がかかる。卒業式の費用は一人いくらですよ、と言われて親から集金するのではなく、基本は自分たちの労働やPTA活動でお金を集める。もちろん親の協力がないとできないことなのだけど、子供たちが自分で働いて必要な資金を作るという経験ができるので、なかなかいいと思う。
当日はあいにくのお天気で激しい雨。みんなで雨の中で洗車して、ずぶ濡れだけど気にせず楽しそう。マーシャルは常夏だから、水に濡れても寒くないし、カーウォッシュが１年中できていい。街では毎週末、どこかの学校の生徒による寄付金集めのカーウォッシュが行われている。
マジュロの道路は、島に一本しかない。その一本道を通る車が、洗車に立ち寄ってくれる。たいていは生徒の知り合いが多い。洗車代はなんと無料。どういう仕組みになっているかというと、生徒たちは各自で事前にスポンサーを探して、自分が車を１台洗車するにつき１ドルもらう等、スポンサーと取り決めをしておく。そして、このイベントが終わったら、スポンサーに洗車台数を報告してお金を払ってもらう。たくさん洗車するほど、生徒はお金をもらえる仕組み。イベント後にスポンサーに報告してお金を集金するところまで生徒がやらないといけないのだけれど、実際にはできない・やらない子もいる。
とにかく洗車代はスポンサーが払ってくれるから、洗車に来た人は自分の車を無料で洗車してもらえるのだけど、生徒たちを応援するために数ドル寄付をしてくれたり、BBQを買ってくれるので、ここでもお金が入る。
私はBBQ弁当販売の手伝いをした。お昼前から販売し、午後２時半には１２０個を完売した。カーウォッシュを成功に終えたハルたちは、ずぶ濡れのまま歩いて近くの友達の家に行き、友達の家の裏からみんなでラグーンに入って泳いだそうだ。海に囲まれた島ならでは。そして着替えもせずに、そのまま家に帰ってきた。寒くないし、すぐ乾くから大丈夫だそうだ。楽しい思い出がまた増えてよかったね。
