HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

コロナワクチン接種しました(モデルナ)

マーシャルでは、12月下旬にアメリカからの援助でコロナワクチンが供与された。医療関係者、空港や港で働く「フロントライナー」と呼ばれる職員、65才以上の高齢者が最初に対象となった。その2週間後には基礎疾患のある人と、40歳以上の人が対象となった。そして2月3日からは早くもすべての18才以上の人が接種対象となっている。マーシャルは国の人口が約5万人と少ないから、順番が回ってくるのが早い。接種希望者は、予約なしで病院や地域の接種会場に直接行き、長時間待つこともなく接種を受けることができる。病院へ注射に行くのが怖い、と言ってまだワクチンを打っていない人もかなりいる。そういう人たちをなるべく逃さないために、保健省は島の端から順に、各家庭を回って訪問接種を始めた。そのうち会社にも来て、その場で従業員みんなが接種することになるだろう。

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看護師によるワクチンの注射

私は1月下旬にモデルナのワクチンを接種した。注射したあと3時間は腕の痛みも症状もなく、何てことない感じだった。注射後4時間ぐらい経つと、徐々に接種した場所の筋肉が、打撲したときのような痛みになった。腕を動かすだけで痛い。腕の痛みはその日の夜がピークで、徐々に和らぎ、2日程で消えた。私が感じた副反応はその程度。在住日本人で接種した人に聞くと、だいたい以下のような症状だった。

・接種した部位の腕の痛み程度の人
・熱は出ないけど接種後に2,3日頭痛や倦怠感を感じた人。
・接種後8時間から24時間後に38度ぐらい高熱と悪寒が出たが、それも24時間以内には元に戻った人


モデルナのワクチンは、1回目の接種から1か月後に2回目の接種を受ける必要がある。マーシャルでは既に2回目を終えた人も出ているのだが、たまに1回目は何ともなくても、2回目のほうが副反応が強く出て、高熱が出る人もいるようだ。もちろん、2回目でもそれほど副反応が出ない人もいる。
私が日本でまだ承認されていないモデルナのワクチンを、マーシャルで接種することにした理由は、ワクチンによる副反応の心配よりも、コロナに感染することのほうが圧倒的に避けたいことだから。マーシャルで接種した人たちの様子をみると、コロナワクチンはインフルエンザよりも副反応を感じる人が多いワクチンのようだ。健康な人なら副反応は嫌だけれど、それに耐えてコロナの感染を防げるなら、その価値は十分にあると思う。

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病院のワクチン会場。外で問診して、室内でワクチンの接種をする。
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クーラーを効かせた室内に、ワクチンが保管されている冷凍庫がずらりと並んでいた。


マーシャルでは現在コロナ感染者ゼロ。まるで鎖国状態の厳しい入国制限を、昨年3月よりずっと続けている。マーシャル政府はコロナを絶対に国内に入れないために、基本的に海外からは自国民ですら誰も入国させない。秋からは一度に40人ずつぐらい、海外で入国を待っているマーシャル人や政府機関等で働く外国人に限り、合計5週間の検疫隔離(出発前にハワイの指定ホテルで2週間、マーシャルの隔離施設で3週間)のあと、入国が許されている。国際線もいまは月1便しかないから、マーシャルへ出入国できる機会も月に1回だけ。まさに「太平洋の孤島」と呼ぶにふさわしい、この辺の近隣国は、コロナ感染者をゼロ、もしくはほぼゼロに抑えている国が多い。マーシャルだけでなく、キリバスミクロネシアパラオ、トンガ、ツバルあたりも感染者ゼロ。
太平洋の小さな島国が厳しい入国制限でコロナから国を守っているのは、医療が脆弱で、コロナに対応できないことがわかっているから。国民を守ることを最優先にするという決断は早く、迷いはない。


鎖国状態になってからもうすぐ1年になる。マーシャルでは幸せなことに、まだコロナ以前のような世界が続いている。マスクをしなくても大丈夫だし、子供たちは通常の学校生活を送り、クリスマスには大人数のパーティーやイベントも普通に行われた。しかし、いつまでもこの鎖国を続けていくわけにもいかないだろう。いつかは入国制限を緩和する必要があるし、そうなると今後はコロナを抑えつつ、上手く付き合っていかないといけない。入国制限を緩和する前に必要なこと、それは国民にワクチンを接種することなのだ。