HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

高校最初の行事 無人島一泊

先週、ハルが高校生になって最初の行事、リトリート(Retreat)に行った。リトリートは、親睦のための遠足という意味合いで、ボートに乗って無人島へピクニックに行くのが恒例行事。中学のときは日帰りだったリトリートが、高校は1泊2日のキャンプになった。9年生から12年生まで高校全員、約100人で行く。学校からのお知らせレターは簡単なものだった。保護者のサインが必要になる参加承諾書と、持ち物の連絡は、好きな飲み物・お菓子・雨が降ると冷えるから長袖、あとテントがあれば持ってきてもいいですよ、と書いてあった。無人島だからバンガロー等の宿泊施設はないので、テントがなかったらどこで夜寝るのかな?と思った。ハルもそれは心配だったようだけど、友達のお姉ちゃんが大きなテントを持っていくので、そのテントに入れてもらえることになり、とりあえず寝場所は確保されて安心してリトリートへ行った。

f:id:mikamikamika:20190419003657j:plain
エネマネ島


島に着いたら、わりと自由時間が多くて、友達と海で泳いだり好きなようにのんびりして過ごし、その合間にときどき全員で行うアクティビティが入る、というスケジュールだったそうだ。食事は、昼と夜は上級生や先生が焼いてくれたBBQを食べて、2日目朝ごはんはシリアル、昼ご飯はホットドックとサンドイッチ。1日目夜にはボンファイヤーがあった。その炎で串にささったマシュマロを焼いて食べたそうだけど、ボンファイヤーの火が強すぎて上手く焼けなかったとのこと。写真を見せてもらったら、炎がマシュマロを焼くレベルではなかった。


夜はテントで寝たのかと聞いたら、テント内が暑くて眠れなかったので、友達何人かと停泊中のボートの上で寝たとのこと。ボートから寝転んで見えた、夜空の満天の星がとてもきれいだったそうだ。話を聞くと、テントがない生徒もけっこういて、みんなベンチやテーブルの上、地面にゴザ敷いて適当に寝ていたらしい。学校の旅行なのに、生徒のために屋根のある寝場所を用意しているわけでないところが、すごいなと思った。


ハルのクラスではちょっと裕福な家の男子が家からテントを持ってきて、夜にホームレス状態になっていた同級生男子を自分のテントに入れてあげていたそう。でも助けてあげすぎて、気づいたらテント内に自分の寝場所がなくなってしまい、自分は外で野宿したんだって。このマーシャルらしい優しさ、すごくわかる気がする。


キャンプというより野宿の一泊旅行!雨が降らなかったから良かった。日本の修学旅行のような消灯時間もなく、寝る時間も自由。いつ寝てもいいし、一晩中起きておしゃべりしていた子もいたとか。夜中に寝てないでいるからって先生に怒られることはない。先生は1時間に1回安全確認で懐中電灯で照らしてみんなを見て回る。夜間は島での行動範囲だけは決められていて、危ないから行ってはいけない場所は事前に申し伝えられている。そのルールを守ることが前提で先生も見守りをしている。我が子がある程度、自立した生徒になっていないと、参加許可出すのが心配な親もいるだろうなと思う。実際、ハルのクラスでは4,5人不参加だったそうだ。

f:id:mikamikamika:20211009172647j:plain
島にて


最上級生の12年生は、このリトーリートにも慣れている上級者。12年生は誰もテントを持ってきていなかったらしい。ハルによると、テントを持ってくるのは荷物になるし、外で寝るのが一番涼しいと知っているからだって。さらに12年生は自分たちでカセットコンロや食料も持ってきて、インスタントラーメンを食べたり、朝食は自分たちで卵料理を作って食べたりしていたそう。なんて自由!リトリート楽しかったー!と日焼けした寝不足顔で家に帰ってきたハルだった。