HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

感謝祭ランチ、地面で蒸し焼き料理

アメリカの感謝祭に合わせて、ウチの学校は休みになる。マーシャルの祝日ではないので、公立校は休みではない。他にもウチの学校だけ休みになる日があり、それはアメフトのスーパーボウルの試合がある日。アメリカから生中継される時間帯は、マーシャルでちょうど午前中。昔は学校にアメリカ人の先生がそこそこいたので、「先生たちがスーパーボウルを観るための休み」と言われていたけれど、最近ではアメリカ人の先生はごく少数。いまはフィジーやフィリピン出身の先生が多いので、もうこのお休み不要なのでは?と思う。


さて、PTAでは毎年感謝祭の日にターキーやマッシュポテトが入ったランチボックスを作って、1個10ドルで販売している。クラスで前売りチケット15枚の販売ノルマがあり、私がその仕事をした。クラスの親御さんたちにPTA総会の直後とクラスのメーリングリストで声掛けをしたら、あっという間に完売した。買いたい人がけっこういて良かった。感謝祭、アメリカでは神に感謝し、家族・親戚が一堂に揃って食事をするという一大イベントで、日本でいうところのお正月に家族揃っておせち料理を食べる感覚に近いようだ。私がお正月におせちを食べたいのと同様に、アメリカ文化圏の人は感謝祭にはターキーを食べたいのかもしれない。


ターキーはアメリカから冷凍でマーシャルに届く丸鶏を、家のオーブンで毎年PTAメンバーが手分けして焼いていたのだが、今年は前に学校にいたフィジー出身の先生が、全部まとめて伝統調理法の「アンダーグランド・ベーキング(地面蒸し焼きオーブン)」でターキーを焼いてくれることになった。
この方は、ハルが4年生のときの担任の先生で、ハルも先生と一緒にアンダーグランド・ベーキングを体験したことがあった。やり方は、地面に穴を掘って、石(珊瑚)をたくさん敷いたところにヤシ外殻で火を焚く。石を熱々に熱して、その上にバナナの葉で包んだ食材を入れ、バナナの葉や古い絨毯で蓋をし、8時間ぐらい放置して火を通す。最初の準備が大変そうだけど、あとはほったらかしOKで、食材を犬猫や虫に食べられる心配もないからいい、とのこと。ランチにちょうど間に合うように、仕上がり時刻を朝にするため、フィジーの先生たちは夜9時から真夜中まで作業をしてくれたそう。ありがたい。


当日は12時からランチの引き取り開始だったので、私は10時半から学校の給食室で、弁当詰め作業を手伝った。地面で蒸し焼きにしたターキーも、じっくり火が通って、骨からすぐ肉が取れるほど柔らかかった。給食室にはクーラーがなくて、暑くて大変。毎日350人分の給食をここで作ってくれているキッチンスタッフたちの大変さがよくわかった。キッチンスタッフは仕事に慣れているからか、大変そうにしていないところも、のんびりしているようにさえ見えるところもすごい。


この日の私のお昼も、感謝祭ランチボックス。中身は、ターキー、マッシュポテト、グレービーソース、コーン、スタッフィング、ペールー(マーシャルの伝統お菓子)、ご飯。感謝祭が終わると、もうクリスマスがやって来る。

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感謝祭ランチボックス