HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

現地小学校で日本語ボランティア

昨年の秋にコウの通う小学校で、放課後のクラブ活動に「ベーシック日本語」というクラブができた。親日家で日本語の勉強も続けている音楽の先生が担当教諭で、「一緒にやりましょう!」と私に声をかけてくれた。小学生を相手にするのは初めてなので、教室で子供たちのコントロールができるか心配だったけれど、教員歴の長い先生と一緒なら大丈夫。喜んで引き受けることにした。毎週木曜日の放課後に、小学1年生から5年生までの子供たちが15人ほど日本語クラブに来た。何を教えるかは私が自由に決めてよかったので、様子を見ながら50分×6週分ずつ授業内容を考えて、先生に報告してOKをもらって、進めていった。

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日本語クラブ

小学生対象の放課後クラブで授業ではないので、「楽しく学ぶ」をモットーにした。授業の後半は毎回盛り上がりそうな日本語ゲームやアクティビティを入れて、「楽しかったー!」と思って家に帰れるようにした。子供たちが日本語で挨拶と自己紹介ができるようになって、日本語や日本文化に興味をもってもらえたら、それで十分と思っていたけれど、わりと教育熱心な親御さんの期待に応えて途中から「あいうえお」も隔週で教えることにした。中学・高校で日本語を教科として勉強するとき、「あいうえお」の習得に苦労する生徒が多いので、小学生のうちに無意識に歌やゲームなどで覚えてしまえば、あとでラクかな?と思ったのだ。


日本語クラブ、私自身が楽しかったし、学んだこともたくさんあったので、ボランティアさせてもらえて本当に良かった。クラブ担当教諭の音楽の先生は、基本的に私の自由に授業をさせてくれて、子供たちが好き勝手しそうになった時など要所要所で助けてくれた。子供たちはみんなやる気があって、言葉の吸収も早いので、すぐ覚えてしまうのにビックリ。放課後に毎週楽しみにしてくれている子たちもいて、学校外で会うと「ミカセンセー!コンニチワ!」と元気に挨拶してくれるのも嬉しかった。コウも毎回一緒に参加していて、クラスの女の子に「なんでミカセンセイはコウのママなの~。私のママだったら私も日本語が話せるようになってよかったのに~。」と言われたそうだ。クラブ活動は、コロナウイルス対策の清掃強化のため3月で終了になってしまったのだけれど、とてもいい経験と思い出となった。

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ひらがなビンゴ


以下は、現地小学校の日本語クラブでやったことの記録。

◇学習内容

・基本のあいさつ(絵カードを作って、毎回授業前に復習)
・教室の指示用語(聞いてください・見てください・言ってください・書いてください・読んでください)
・数字
・色
・体の各部の名前
・果物の名前
・あいうえお
・自分の名前をカタカナで書く

・お名前は?
・わたしは〇〇です
・〇歳です
・〇〇がすきです/〇〇がすきですか?
・はい/いいえ
・自己紹介


◇好評だった日本語ゲーム/アクティビティ

・ビンゴゲーム・・・「数字ビンゴ」や「あいうえおビンゴ」。用意したマス目に文字を書かせてビンゴ用紙を作って、ゲームをする。ビンゴになった子は先生のところに来て本日のパスワード(その日に学んだ言葉で「せんべい」「ひなまつり」「りんご」等、ゲームの前に設定)を言うと、お菓子がもらえる。


・「あいうえお」神経衰弱・・・「あ」と書いてあるカードと、その読み方カード「aあ」がペアで、神経衰弱をする。


フルーツバスケット・・・果物の名前を覚えて、教室でフルーツバスケットをする。


・折り紙・・・低学年は簡単なイヌ、ネコ、家、高学年はコップ、サイフ、だまし船を作った。コップは簡単にできて、みんな喜ぶ。画用紙でコップを作ったら丼みたいになって「これでラーメン食べるぞー」と言えば大喜び。


・切り紙・・・折り紙とハサミを使って、4つ折り、6つ折り、8つ折りから切り込みを入れて模様を作る。見本を用意しておく。みんな夢中になってやっていた。


・歌・・・以下の動画を用意「あたまかたひざポン」「きらきら星の日本語版」「あいうえおの歌」・・・授業で毎回歌ったり、時間が余ったときにも歌で時間調整できて便利だった。


・「あいうえお」の書き取りの練習を、筆と絵具でする・・・勉強要素が強い書く練習も筆と絵具だと遊び感覚で楽しくできた。小学生のクラブでは、まず形を覚えて読めるようになることを目標にした。


・箸の使い方ゲーム・・・箸文化の紹介と、実際に一人一膳割り箸をつかって箸の練習。キャンディーや丸いチョコレートなどのお菓子を箸でお皿に移して、最後は食べる。


・日本文化紹介・・・なるべく自分が日本で撮った写真を使って、自分の街や家族を紹介したり、季節の行事(冬、お正月、ひなまつり、お花見etc.)を写真で紹介する。伝統的なものだけでなく今の日本も感じられるように、「さくら味のキットカット」「ドーナツ屋さんのメニュー」「スキー場」「新幹線」「小学校の給食」なども紹介したら、興味を持って見ていた。「アメリカドル」以外の紙幣を知らない子がほとんどなので、日本のお金を実際に教室に持ってきて見せたりもした。あとは、好きなアニメなどを聞いておいて、そのキャラクターを教材に取り入れると反応が良かった。