アメリカのバンドが学校に来る
毎年、アメリカ政府による友好の交流プログラムで、アメリカからプロのバンドがマーシャルにやってくる。学校を訪問して子供たちの前で演奏をしてくれたり、週末には市民の前で無料コンサートをする。マーシャルにやって来るバンドのジャンルは様々で、ロックバンドの年もあれば、カントリーバンドのときもあり、今年はR&Bのアカペラバンドだった。
昨日は子供たちが通う学校に来てくれた。”Kazual”というバンドで、昔人気があったBoyzⅡMenみたいな感じの、男性4人組。プロだけど、世界的に有名というわけではないので、当然マーシャルのみんなは知らない。でも、生徒たちはバンドが来るとキャーキャー騒いで、演奏のときもキャー!ワー!と叫んで、まるで長年のファンのよう。毎年そんな感じ。
私がハルに、「知らないバンドなのに、よくみんなあんなにキャーキャー叫んで盛り上がれるね」と言ったら、「みんな叫びたいだけなんだよ。あの場なら、いくら大声で叫んでも誰が叫んだのかわからないし、叫んでもいいなら、とりあえず叫びたくなるの」とのこと。一種のストレス発散だそう。確かに、叫んでいるのは中学生・高校生たち。ティーンエイジャーの心理、そうだったのか。でもこれが日本の学校だったら、みんなおとなしく静かに聞いてそうだな、と思ったり。マーシャルの学校のほうが、生徒が自由にのびのびしているということなのかな。
学校訪問ならではの、バンドメンバーへの質問コーナーもあった。コウのクラスメイトの1年生の女の子が、手を挙げて質問。
女の子:どこから来たの?
バンド:僕たちはU.S.から来たよ。
女の子:私もU.S.から来たのよ。
バンド:じゃあ、僕らと同じだね。きみはU.S.のどこから来たのかな?
女の子:United Statesよ!
かわいい答えに会場は爆笑。
ハルも手を挙げて質問したそうで、何を質問したのかというと、「こちらに来るとき、ユナイテッド航空のサービスはどう思われましたか?」だって。そんなこと、全校生徒の前でバンドに聞いてどうする!でもハルは、つい気になって聞いたらしい。人前で話すことへの緊張や不安とは無縁そうな我が子をみて、海外育ちを感じたのだった。