HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

オケアノスに乗る

オケアノス

先月のハルカのクラスの社会科見学は、オケアノス(okeanos)という名前の伝統的なカヌーを訪問した。ハワイから14日間かけてマーシャルにやってきたこの双胴船は、帆に受ける風の力だけで進む伝統アウトリガーカヌーのスタイルでありながら、現代的な設備も備えており、ソーラー発電、ココナッツオイルの燃料で動くエンジン、キッチン、通信室、ベッド、トイレがある。こんな船、初めて見た!ハワイの伝統カヌーで有名なホクレア号が太平洋を航海する際に、そのサポート船としてオケアノスは同行したこともあるそうだ。
今回は子どもたちに、この太平洋地域の伝統カヌーや航海術を伝えるという目的で、ハルカのクラスが訪問できることになった。私も、またクラス役員ママに声をかけてもらって参加。私の役割はドライバー兼、監視員兼、写真係といったところ。ウリガ港に停泊しているオケアノスへ乗船した。私はてっきり停泊しているカヌーに乗って、説明を聞いたり船内見学するだけかと思っていたのだが、乗船してカヌースタッフの動きが慌ただしくなったと思ったら、カヌーは静かに沖に向かって出港した。あれー?海に出るんだ!

それから3時間ほど海の上。船と違って、大きないかだの上に乗って進んでいるような感じなので、冒険の旅に子供たちは大喜び。船は帆をなびかせスピードを上げ、エメラルドブルーの海は輝き、快晴のなか心地よい海風が吹き、全身で広い海を身近に感じる。学校の授業時間内にこんな体験ができるなんて最高だった。カヌーに乗っていた誰もが、そう思っていたはず。船のクルーが先生に「何時に戻ればいい?」と聞いたら、子供たちは「明日の朝がいい!今日はこのまま船に泊るんだー!」と叫んだ。そしたら先生も「私も別に、親御さんたちがいいのなら明日の朝で構わないわよ。」なんて言うので、スタッフがサービスして航海を長めにしてくれたようだ。途中、エネモネ島の近くで錨を降ろして停泊し、船上で持ってきたサンドイッチのお昼を食べた。それにしてもマーシャルらしいなと思ったのは、船に3時間も乗って揺られているのに、船酔いをする子がいないこと。ハルカも全く平気。小さい頃から船に乗り慣れている子が多いのかな。

オケアノスのクルーは多国籍で、タヒチ人の船長に、女性クルーの2名はフィジー人とハワイ育ちのマーシャル人。フランス人も1名いて、あと6名ぐらいマーシャル人男性がいた。陽気なフィジー人女性クルーに「私、日本人なんですけど、オケアノスに日本人スタッフはいます?」と聞いたら、「日本人はまだいないわよ!あなたがクルーになれば、日本人初のオケアノス船員になれるわよ!」と言われた。こんなところに日本人初のチャンスが。でも子供いるし、いまは船のクルーは無理だなあ。

↓マーシャル人クルーから、ハワイからマーシャルまでの航海の話を聞く

↓船の後ろで魚釣りを始める子も。

↓今回の社会科見学は、みんなで冒険の旅