HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

マーシャルのお菓子、ペールー

9月にマニットデーというマーシャルの文化の日があり、その週にいろいろなマーシャル料理を食べる機会があった。私が一番好きなマーシャルのローカルフードは「ペールー(peru)」。パンダナスの味がしてほのかに甘く、ういろうのようなモチモチしたお菓子だ。本来は長い航海に持っていくようなパンダナスの保存食なのだと思う。パーティー料理でペールーがあると「やった!」と思うほど、ペールーが好き。マニットデーのついでにマーシャル人にペールーの作り方を教えてもらった。
まずはパンダナスを茹でて、ひとつずつ繊維から身だけこそげ取り、ペースト状にする。ここまででかなりの労力が必要。そのあとパンダナスのペーストと、ココナッツミルク・砂糖・片栗粉または小麦粉を混ぜ合わせ、小さいビニールに入れて縛る。それを沸騰したお湯に入れて茹でたら出来上がり。パンダナスの代わりに茹でたかぼちゃをつぶしたものでもできると聞いて、簡単そうなかぼちゃを使い、生地を一度濾して、茹でる代わりに蒸し器で蒸してみた。マーシャル料理のペールーと日本のういろうが合わさったようなお菓子ができあがった。
まず、できてすぐのものをマーシャル人に試食してもらうと「これはペールーだ」との反応。一応合格。かぼちゃ1個から大量にできたので、残りは冷蔵庫に入れて冷やし、翌日冷えたものをまたマーシャル人にあげたら「おいしい!」と大好評。ペールーはよく食べるけれど、冷えたペールーを食べたのは生まれて初めてだと言い「冷やすとこんなにおいしいなんて知らなかった!これを思いつくなんてすごいわ!」とちょっと尊敬までされた。私としては、かぼちゃのペールーは栗かぼちゃの羊羹のような風味で、まあおいしいけれど、やはりペールーはパンダナス味じゃないと!と思う。マーシャル人に「売っているパンダナスジュースを使ってはダメ?」と聞いてみたら、「ジュースなんてダメダメ!」とのことで、ペールー作りのハードルは依然として高いのだった。

↓マーシャルのかぼちゃ

↓ペールーの生地。これを濾してから型に入れた

↓蒸す前、マーシャル式にビニール袋に入れたもの。ビニールに入れるなら濾さなくてもよかった


↓四角い型に入れてういろう風にしたもの。こちらのほうがなめらかに仕上がる。冷やしたら大好評