HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

スーパーからレジ袋が消えたマーシャル

数年前までは、海にポイ捨てされたプラスチックごみがたくさんあった首都マジュロ。家の裏海にも発泡スチロールごみ、ペットボトル、空き缶などがいつも流れ着いていた。海にプラスチックごみが流れると、ウミガメやクジラがビニール袋を飲み込んで死んでしまうこともあるし、細分化されてマイクロプラスチックになると、その有害物質を魚介類が食べて、食物連鎖で動物や人間にも悪影響を及ぼすと言われている。
まず、海にゴミを捨てない、というのが大事。でも大人から子供までマーシャルはポイ捨てする人が多いので、環境教育を徹底するのはなかなか難しかった。そこでマーシャル政府は思い切った政策を取った。
現在は、アルミ缶とペットボトルはリサイクルをしている。ゴミ捨て場にあるリサイクル施設に持っていくと換金される。缶とペットボトルはお金になるのでみんなせっせと集めていて、道路や海にポイ捨てされることがほぼなくなった。テイクアウトのお弁当につかうフォームプレートや、スーパーの発泡スチロールトレイ、スーパーのビニール袋は使用禁止になり、マーシャルから姿を消した。お店が違反して使うと罰金に。発泡スチロールの代わりに使われているのは、紙素材のトレイやエコ素材のもの。

お店のビニール袋類が一切なくなったのが、私には一番大きい変化。日本でもハワイでもエコバッグ持参を推奨されているけれど、レジ袋も有料化されているだけで何円か払えばもらえたり、コンビニなどでは普通に商品をビニール袋に入れてもらえる。マーシャルの場合、お店用のビニール袋が禁止なのでそんなやさしいものではない。自分のエコバッグを持ってない人は、お店で紙袋か段ボール箱をもらって商品を入れて持ってかえる。紙袋は手提げ袋じゃないから、一度にたくさん持てないし、冷たい飲み物を買うと水滴で袋がふやけて破れたりする。あと、生の魚や量り売りの野菜(ミニトマトやりんごやオレンジ)ぐらいはビニール袋に入れたいところだが、この小袋さえスーパーから消えた。紙袋はビニール袋の3倍くらいコストがかかっているそうなので、お店側もお客さんにホイホイ使わせるわけにいかず、魚は新聞紙に包んで、ミニトマトなど野菜はそのままバラで持ってかえる。家庭で使うゴミ袋やジップバックの袋は商品としてお店で販売されているが、これらの袋も禁止されたらどうしよう~と心配。
私がビニール袋がない不便さを痛感するのは、魚とミニトマトを買ったとき。鮮魚は匂いもドリップも出るから、ビニール袋に入れたい…。まあでも慣れてしまえばその程度なので日本でも、もっと思い切ったレジ袋削減をすれば、人口が多い分その効果はかなりあるだろうなと思う。

プラスチックごみ対策では頑張っているが、マーシャルのゴミ問題は依然として厳しい状況。人口約3万人の島にゴミ焼却施設はなく、埋め立てるわけでもなく、燃えるごみの不燃物も全部一緒になってゴミ捨て場に集められている。平均海抜2メートルの島で、積み上げられたゴミ山が今では一番標高が高い場所になってしまった。車の交通量もここ最近でかなり増えたので、数年後にこれらの車が故障して大きなゴミになるのかと思うと、早急に対策が必要だと思う。


↓ビニール袋に入れたくなるもの
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