HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

海面上昇、切実な問題

mikamikamika2014-10-09

先日は高潮で、マジュロでもまた高潮の被害が出た。高潮(High Tide)は満潮時の海面の水位がふだんより高くなること。満月のころに起こる。海抜の低いマジュロのような島では高潮時に海が近くなりすぎて、陸地に波がザブンザブンとかかることになる。また土地も狭いので海岸線ぎりぎりに家を建てている人も多く、高潮の波で毎回どこかの家が流されたり浸水したりという被害が出る。津波と違うのは、高潮の日時は決まっているので予測ができることと、時間をかけて徐々に水位が上がってきて波が近づいてくるので「あれ?ちょっと危ないんじゃない?」と思っていると波を被ること。波があるのは外海側なので、ひどいと外海の波が内海までスルーしていく。
道路が海にギリギリのところにある場所も波を被り、道路には波と共に石ころや岩が転がるので危ない。空港の滑走路脇の道路、橋の前後の道路、ライロック小前の道路は毎回のように波を被る。そういうときは、わりと素早く政府の重機が出動して岩や石を除去してくれるのだが、波が近づいて危ないからと、危険予防として道路を通行止めにすることはないので、みんな波がくるまでいつもどおりに走っている。それも危ないと思うのだが。
ハルカの学校では今年から避難訓練をするようになった。津波がきた場合と火事の場合の避難訓練を既にやったそうだ。ハルカの学校もすぐ後ろには外海。津波の場合の避難は、2階の教室に逃げるだけなのだけれど、高台というものがないのだからしょうがない。
年々被害が多くなっているマジュロの高潮。地球温暖化のせいなのだろうか。この先20年、30年後はどこまで島の海面が上がってくるのだろうか。先月ニューヨークで行われた国連の気候サミットにおいて、マーシャル人の若くて聡明なお母さんが各国首脳の前で、彼女の子どもへ宛てた詩を朗読し、その想いを訴えた。ハルカのクラスメイトたちが大人になる頃、マーシャルが海に沈んでしまったら?もう住めないから、アメリカにでも引っ越してね、と言われるのだろうか。そんなの悲しすぎる…。可能性として、ない話ではない。学者が毎年マーシャルに来て海面の水位をチェックしているが、あと何十年大丈夫なのかは不明だ。もし先進国が出す二酸化炭素が原因で海面上昇しているのなら、真剣に削減の対策をたてるべきだと思う。世界中の子どもたちのためにも。


↓気候サミット2014でのマーシャル人女性のスピーチ。Youtubeの動画で見られます。我が子に宛てた詩”Dear Matafele Peinam”は素晴らしく感動的なので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。