HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

キヨシとミコ

トラとボール遊び中

従業員のヘルマとフキコが連れてきた子どもたち、キヨシ(4才)とミコ(3才)。大人たちが隣でお料理教室をしている間、キヨシとミコは我が家に来て、ハルカと子ども部屋でワイワイ楽しく遊んでいった。子ども部屋には、帰国した方が譲ってくれたものや日本から送ってもらったもの等おもちゃがたくさん置いてあるので、二人は目を輝かせて次々に遊んでいた。そして遊びに夢中になりすぎたせいか、二人ともおもらし…。私がちょっと別の部屋にいたとき、ハルカが来て「あはは〜。あの子、お風呂場でおしっこしちゃったよー!」と楽しそうに言う。えっ!?と思いバスルームに行くと、ミコがお風呂の洗い場で普通にトイレを済ませたあとだった。まあズボンもパンツも無事だし、あとはシャワーで流せばいいだけなのでOK。キヨシのほうはズボンを替えないとダメで、ハルカの短パンを貸してあげたが「女の子の服だからイヤだ」と恥ずかしがって着ようとしない。一応、紺色の短パンを選んであげたのだけれどね〜。しばらくすると、ズボンを履かないと動き回れないということに気がついたようで、ハルカのズボンを履いて再び遊んでいた。
ミコはフキコの養子。アルノで生まれ、一日中泣いてばかりで親があやしても全く笑わない赤ちゃんだったそう。フキコと旦那さんがアルノを訪れたとき、親よりも初対面のフキコ夫婦に心を開いて笑顔をみせたので周囲は驚き、「ぜひこの子を連れていって」と言われて養子にしたらしい。生まれつき口蓋裂だったので、赤ちゃんのときにフィリピンで手術を受けさせ、いまはきれいに治っている。
フキコはアメリカに行ってしまった妹の子どもたちも、母親代わりに育てている。マーシャルでは産みの母親以外の大人が子どもの養育者となって育てるケースがよくある。生まれてきた子どもは母親だけでなく親戚みんなで育てていく。日本の子どものように親から手厚くケアされ育てられるわけではないけれど、子どもはとりあえず生きて育っていく。それでOK。「育児ノイローゼ」なんて言葉は、この国に存在しない。「助け合う」ことが当たり前の文化だから、自分が病気になったり、無収入になったり、子どもが育てられなくなっても、家族・親戚の誰かが必ず助けて世話してくれる。最低限、食べ物があって寝る場所があって生きていければいい。それで幸せなら、無理して頑張らなくてもいい(マーシャル人はもうちょっと頑張ってもいいのでは?という意見もあるだろうけれど)。何でも自己責任が求められる日本の社会と比べると、マーシャルの社会は肩の力がすーっと抜けるような、おおらかな安心感を覚える。どちらの社会がいいなどと言うつもりはないけれど、日本と比べると多くの面で対極だなと実感する。
キヨシとミコは帰る時間になっても「まだ帰りたくないー」と駄々をこね、ミコはその後しばらく「また、あのジャパニーズの家に行ってジャパニーズベビー(ハルカのこと)と遊びたいよう」と泣いていたらしい。またいつでも遊びにおいで!

↓キヨシ

↓フキコとミコ