HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

パンの実料理:ブイロー

パンの実

マーシャル料理に「ブイロー」という、日本のういろうに似た「マーシャル版ういろう」というような食べ物がある。先日、隣の結婚式で食べたら、ほのかにココナツミルクの味と甘さがあり、ういろうに近い食感でおいしかった。ブイローを食べたのはこれが2回目。初めて食べたブイローは甘さも味もほとんどなく、おいしいものではなかったが、今回のブイローは前よりおいしかった。後から知ったが、これはブイローではなくペルーという食べ物だった。
ブイローはパンの実から作る保存食で、マーシャル料理の中でも手がかかる部類らしい。私がブイローを目にするのはいつも特別なパーティーや文化紹介のとき。手がかかるから普段はあまり見かけないのかな。ちょっと自分で作ってみようかと思い、マーシャル人に作り方を聞いたがかなり大変そうだったので断念。まず、パンの実を3日間海に漬けて柔らかくする。えー!海か・・・。どこかに流れていったりしないのだろうか。その後の作業は簡単に言うと、ぐずぐずになった実をすりおろして布でこして、そこにココナツミルクと砂糖を入れて混ぜ、葉っぱに包んで蒸して出来上がり、らしい。パンの実はでんぷんが多く含まれているので、すりおろして火を通すとモチモチした感じになるのだと思う。仕上げのココナツミルクと砂糖の分量が味付けの決め手のようだ。昔のマーシャル人がアウトリガーカヌーで外洋に出て何日も航海するときに、これを持っていったのだろうな。
ブイローは作れないけれど、ういろうなら作れるかも・・・と思い、ネットでレシピ検索をして小麦粉・水・黒糖・塩少々で黒糖ういろうを作った。電子レンジ利用で作業時間は10分という手軽さ。3日間海に実を漬ける必要もナシ!ブイローよりもおいしかったりして・・・。マーシャル人にも作ったういろうをあげたら「これはブイローだ」と言っておいしいと食べていた。今度日本に帰ったら、本物のういろうをお土産に買ってきて食べてもらおうかなと思った。

ブイローに似たペルーというお菓子↓

黒糖ういろう↓