HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

大忙しの学年末~中学卒業

マーシャルの学校は5月で学年が終わり、6月から夏休みに入った。ハルは8年生だったので、中学卒業。5月最後の週は学校のイベントが連続してあり、大忙しの1週間だった。1週間のうち月曜以外は毎日行事という、以下のスケジュールをこなした。


火曜日:コウのクラスで学習発表会
水曜日:夜6時半から恒例のタレントショー(ダンス・歌の発表会)
木曜日:朝9時から中学卒業式、午後から卒業遠足でボートに乗って島でピクニック
金曜日:朝9時から終業式と成績優秀者の発表、そのあとコウは帰国する担任の先生の送別パーティー(料理持ち寄りで、私は大量の寿司作り)

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先生の送別パーティー

卒業式の準備が、予想以上に忙しくて大変だった。学校のタレントショーの翌朝に卒業式というスケジュールが厳しい。生徒たちはタレントショーの歌の練習と、卒業式の練習を同時にしないといけなかったから、どうしても時間が足りない。卒業式ではクラスで歌1曲とダンス2つを披露した。式の2日前にハルは卒業生総代に選ばれたので、そのスピーチ原稿も急いで準備。さらにマーシャル国歌斉唱のピアノ演奏も任され、楽譜が手に入ったのが2日前で練習が間に合わず、前日の深夜まで練習した。


おまけに、ハルの声が出なくなるという事件が起こる。日頃のんびりとした学校生活なのに急に多忙になったせいか、ハルは疲れから風邪をひき、喉が腫れてしまった。それなのに無理して歌の練習を頑張ったら、喉を痛めて声が出なくなった。卒業式直前の2日間は学校でも家でも一言も声を発せず、でも言いたいことはいろいろあるので筆談したりして、「ハルがミュート(無音)になってしまった」とみんなを心配させた。当日に卒業生総代のスピーチはできるのかどうか、いざとなったら友達に原稿の代読してもらうことまで考えたけど、なんとか当日には声が出せるようになったのでよかった。


中学の卒業式は、英語ではPromotion(プロモーション)と言い、高校への「進級式」という意味になる。マーシャルは高校までが義務教育なので、高校卒業式や大学卒業式のときにGraduation(グラデュエーション)という言葉が使われている。Graduationは盛大に行うのが普通で、日本でいう成人式みたいな感じ。中学卒業式はGraduationではないから、あまり豪華にせず行いましょう、と保護者会で話して決めたのだけど、クラスみんな揃いの生地でドレスやシャツを作り、卒業アルバムも印刷し、卒業式の出席者全員分のサンドイッチとドリンクも用意したりと、それなりにしっかりした卒業式になった。卒業生はダンスで踊りながら入場。マーシャルの卒業式はとにかく明るく、自由な雰囲気。

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中学卒業式 卒業生はステージ上に座る


卒業式には、両親だけでなく兄弟・祖父母・叔父叔母も参加して、お祝いをするのがマーシャル流。卒業生は23人だけなのだけど、会場には大勢の家族が来ていて300人ぐらい集まっていた。式の後にキャンディーや1ドル札で作ったレイを卒業生たちにあげてお祝いをした。我が家はマーシャルに親戚は一人もいないのに、ハルは他の家族からたくさんレイをかけてもらった。自分の子の事だけでなく、島全体で子供たちの成長をお祝いしてくれるのが、とてもマーシャルらしくてありがたいし、いい卒業式だと心から思った。

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みんなからレイをかけてもらう
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卒業生たち