子どもの友達に日本食を振る舞う
我が家では、たまにハルが友達を家に連れてくる。遊ぶためだったり、学校のグループワークの課題をするため。「友達を呼んでもいい？」と聞かれたときは、なるべくOKしてあげるようにしている。マーシャルでは学校以外で友達と会える場所がないから、遊び場の提供といったところ。遊ぶといっても中学生なので、ずっとおしゃべりしたり、みんなで映画を観たりして、楽しく過ごしている。
ハルの友達はウチに遊びに来て、ランチや夕飯を食べていくことが多い。おにぎり、巻きずし、からあげ、焼き鳥、卵焼き、スパムむすび、ちらし寿司、天丼、タコライス、じゃがバター、エビフライ、グラタン、刺身、お好み焼き、タコ焼き、味噌汁など、これまでに様々な日本食を我が家でおいしいと言って食べている。みんなすっかり日本食ファン。
こんなとき他のお宅では、簡単にサンドイッチやホットドックあたりを出すのが普通。でもハルの友達が「今日は日本食が食べられる」と期待しているのがわかるので、こちらも喜ぶ顔が見たくてつい期待に応えてしまう。一度はお昼時に家が停電してしまって、みんなで日本のカップ焼きそばを食べた。これもたいそう喜んで「今までの人生で食べた麺類の中で一番おいしい！」と言っていた。ハルの友達に一番人気の日本食は「じゃがバター醤油」。子供がポテト好きなのは日本と同じ。次に、「からあげ」「おにぎり」「卵焼き」。マーシャルではこのメニューなら、大体の子は気に入る。
フィジー出身のＥちゃんは自分の家で「日本人は刺身を醤油とわさびで食べるのよ」と言って、スーパーでわさびを買ってもらい、家で使い始めたそう。この子のおじいちゃんに会ったときに「刺身にはワサビだってこの子が勧めるから、私も初めて食べてみたよ。つけすぎだって言われたのに、たっぷりつけて食べて涙が出たよ」と話してくれた。ハルがこの子の家に遊びに行ったときは、おばあちゃん手作りのカレーの入ったサモサなど、フィジーの料理を食べさせてもらうこともある。こういう経験は大人になっても覚えているものだから、ハルの友達が大人になったとき、日本人もビックリなちょっとした日本食通になっていたらいいなと思う。
