タコを獲ろうとしたら魚をもらう
家の裏海にタコがいるらしい。会社に、日本の漁師さんからもらったタコを捕獲する仕掛けがあったので、裏海に仕掛けてみることにした。1晩置いて仕掛けを回収したら、エサだけが跡形もなく消えていた。次の週末も仕掛けてみたが、エサを刺したワイヤーごとポキッと折られて消えていて、網も一部が破けていた。やはりエサだけ取られてしまう。タコが取って、持って行ったのだろうか?
裏海で仕掛けを回収していたら、近所のマーシャル人が投網で魚を獲ったところだったので、どんな魚が獲れたのか見せてもらった。小さめサイズの同じ種類の魚がたくさん獲れていた。私も1度だけ裏海で釣ったことがある魚。「この魚は昔日本人が持ってきた魚だよ。元々はマーシャルにいなかった魚だ。どんな調理をしてもおいしいぞ。」と、投網のおじさん。そして、持っていっていいぞと、お裾分けをしてくれた。私たちは顔見知りでもなく、偶然通りがかっただけなのに、魚を分けてくれるという。私たちの仕掛けには魚が獲れなかったのを見て、分けてくれたのかな。この優しさと気前の良さに、マーシャルを感じる。
この魚は背びれに毒があるから気をつけないといけないらしい。うっかり背びれが手に刺さると、ひどく腫れて半日は手を動かせなくなるそうだ。魚はまだ生きてピチピチ跳ねているし、どうやって持って帰ったらいいのかなと思っていたら、近くにあったヤシの葉を使ってお持ち帰りしやすいように魚を束ねてくれた。釣った魚を持ち帰るときに、入れ物がないときはこういうふうにすればいいのか。もらった魚は下処理したあと丸ごとフライにした。おじさんの言葉どおり、とてもおいしい魚だった。