HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

のびのび育てるとは・・・

プール!

あっという間に一ヶ月が経ち、またアイランドホッピングでマーシャルに戻ってきた。日本では疲れと寒さで家族全員が風邪をひいたが、暖かい気候に戻ってきたら良くなってきた。5月の日本は私たちには寒かった。ここ1年以上毎日半袖、気温30℃のところに住んでいると体が夏仕様になっていて、寒さに弱いうえに暑い日と寒い日が交互にきたりするとその変動についていけず体調を崩してしまったようだ。
ハルカは日本にいる間にさらに言葉が増えた。いい刺激になったようで、やはり一時帰国は大切だなと思った。電車・バスなどマーシャルではなじみのない乗り物にもたくさん乗り、話すようになった。物心がついてから初めての日本なので見るものすべてが珍しいらしく、コンビニ・スーパー・デパート・駅など、どこへ連れていっても興奮気味で自分で歩き回りたがった。そんな状態なのでベビーカーにおとなしく座っているということも無理で、親の私たちは買い物が一苦労だった。
また、毎日のように違う人に会い、初めての場所へ行き、慣れない場所に泊まり、風邪もひいたので、さすがのハルカも普段よりグズリがちな日が多かった気がする。多少ぐずる事があってもマーシャルでは特に気にならなかったが、日本では「わがままを許している」「自己主張の強い子だ」という目で人から見られているような気がして不安になった。ハルカは頑固なのだろうか?もっと厳しくしないとダメなのか?と、自信がなくなり育児の悩みに気付かされた。
マーシャルにハルカを連れていくことになったとき、みんなからよく「のびのび育児ができていいね」という事を言われた。そのときは「まあ、マーシャルはのんびりしているし、日本にいてもマーシャルにいても子育てをすることに変わりはないから」と考えていたが、今回一時帰国して「自然にのびのび育児ができる」という意味がようやくわかった気がする。日本でママ友達と話をすると、みんな育児にまじめで一生懸命だった。こんなにきちんと育ててもらえる日本の子は幸せだし、ほぼ一人で頑張っているママたちは本当にえらいと思う。褒められるべきなのに世間ではできて当たり前という感じで、日本のほうが母親を追い詰めてしまう環境が確実にあるなと思った。少子化の一因もこのあたりにありそう。
街に出たときのカリカリした雰囲気や育児に悩む母の悲壮感みたいなものは、マーシャルにはない。ここの子供たちは日本のように親から手厚いお世話を受けることなく、最低限のお世話をされて生きているという感じ。だから、しつけやモラルがなっていない子も多いらしい。それはそれで問題だが、親も気軽に出産して育てている感じなので子供を5人・6人産んだという人は普通。ちなみに出産に必要な費用は$200。検診はほぼ無料。また、ほとんどの人は親戚も含めた大家族で暮らしているので育児の負担が分散され、日中の子供のことは働いていない暇な誰かがみているようだ。
日本よりマーシャルのほうがいいという訳ではない。育児のアドバイスをくれる人がたくさんいるという環境は日本のいいところだと思うし、ほったらかしで育っているようなマーシャルの子どもをかわいそうとみる人もいるだろう。ハルカは日本人。マーシャルで暮らしているけれど、日本人として育てていきたい。双方の子育てのいい部分を取り入れつつ、のびのびと成長してほしいと思う。