HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

エジット訪問

ボートに乗って

マジュロの端リタから3つ目にある小さな離島エジットに行ってきた。この島はビキニ環礁出身の人々が暮らす島で、核実験で自分の島が放射能に汚染されて住めなくなり、追い出されるような形で代わりの住みかとして与えられた場所。日本人は青年海外協力隊の隊員さんが小学校教員として島に住んで働いている。他の隊員さんたちが彼女の家に遊びに行くというので、冬休みで暇をしていた私とハルカも一緒に連れて行ってもらうことにした。基本的に部外者がふらりと立ち寄れる島ではないので、なかなか訪れる機会もなく初めての訪問。
エジットまでは干潮であればリタから歩いて渡っていけるが、この日の干潮は早朝だったので日中は歩いて渡ることができず、ボートで連れていってもらうことになった。リタの折り返し地点の少し手前に小道があり、民家の裏がエジットからのボートの船着場になっていた。初めて来た人にはまずわからない場所だ。海が満ちていなければ歩いて行けるぐらいの距離なので近いのだが、乗せてもらったボートが小型でスピードも遅く、20分ぐらいかけてゆっくりと進んだ。どんぶらこ〜どんぶらこ〜という言葉がこれほどピッタリな体験は初めて。
島に着くと、さっそく子どもたちがハルカのまわりに集まってきた。ハルカも子供同士で遊びたかったらしく、すぐに仲良しに。日本人のこどもは珍しいからか、ハルカはまわりを子どもたちに囲まれて、みんなが競ってハルカと手をつないで歩きたがり、休憩で隊員さんの家に入っても、窓から覗いたり、ドア前で出待ちをしていたりと、まるでアイドルのような扱いだった。
エジット隊員さんが島を案内してくれた。10分もあれば一周できるぐらいの小さい島だが、小学校・警察・診療所・教会・グラウンド・バスケットコートがあり、家も学校もクーラー完備。マーシャルの平均的な生活レベルより高い暮らしだ。ビキニの人々にはアメリカの補償でお金と食料も配給されるので、働かなくても生活できてしまう。でも自分の故郷に帰ることはできないし、健康を害している人もいる。これでいいはずはないのだが・・・。そんなことを考えつつ散歩をしていたら、教会に島中の人が集まりクリスマスにやっていた歌と踊りを踊っていた。今年のクリスマスは教会に行かなかったので、ここで見ることができてちょっと嬉しい。帰りも、どんぶらこ〜とボートに揺られてリタまで帰ってきた。隊員さんの大家さんが、行きも帰りも私たちのために無料でボートに乗せてくれて、ココナッツをたくさんお土産にくれた。今日は隊員さんたちのおかげで楽しい小旅行ができて、有意義な一日だった。

リターエジット間を結ぶ大きいボート。私たちが乗ったのはこれではなく、もっと小さいボートだった↓

島に着くとすぐにココナツを届けてくれた↓

すぐに仲良しになって、島の子どもたちと遊ぶ↓

エジット小1年生の教室。掃除を始めるハルカ↓

エジット小6年生の教室。生徒数は1学年10名前後だそうだ↓

島の教会↓

みんながあつまって踊りを踊っていた↓

エジットの船着場。子どもたちも見送りにきてくれた↓