HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

トラの危機

柵から再び脱走

先週はトラの元気がなかった。それはBBQの翌日エサを食べなかったことに始まる。BBQの残り物をもらったりしてお腹がすいていないのかなと思っていたらそうではなかった。その日から全くエサを食べず水を飲むだけで、元気もなく寝てばかり。目もどこかうつろ。どうやら熱があるみたい。こんなとき日本だったらすぐ獣医のところに連れて行けるけど、マーシャルに獣医はいないし動物病院もない。だからトラが自力で元気になるのを待つしかない。かわいそうだけれど、それがここでの現実だ。
全くエサを食べない日が4日間続いたので、さすがに心配になってきた。犬好きのKさんなら何かアドバイスをもらえるかもしれないと電話で相談してみる。トラの症状を話すと「それは危ないかも…」と、なんと死の宣告を受けてしまった。ここの犬は予防注射も受けられず薬ももらえないので、抵抗力のない子犬は死んでしまうことも多いそう。マーシャルでは子供の1歳の誕生日を盛大に祝う風習がある。昔は1歳になる前に死んでしまうことも多かったからだと思う。犬も同じかもと思った。
Kさんはこんな時、人間用の風邪薬を犬に与えるという。え、大丈夫なの?と思ったがこのままトラが死んでしまうよりはと、一か八か人間用の抗生物質を1/2投与。その1時間後、トラがブルブル震えだした。やっぱり犬に人間の薬をあげてはダメ!後悔したけどもう遅い。
しかし翌日、少しよくなったみたいで絶食から5日目にしてエサを少しだけ食べた。動きや反応もよくなってきて少しずつ食べるエサの量も増えてきている。薬が効いたのか抗体ができたのか、回復の兆しが見えてきた。風邪だったのかもしれない。そうなるとトラは元気が良すぎるので、これぐらいおとなしいほうが飼いやすいかもという気がしてきた。今は食欲も戻り元気いっぱい、すっかりいつものトラに戻っている。