HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

ヤードセールス

販売したクッキー

学校のPTA行事で、校庭でヤードセールス(バザー)があった。各家庭からまだ使える不用品などを持ち寄り、クラスごとのブースでそれを販売し、売上は学校に寄付。寄付されたお金はクラス費となり、ハルカのクラスでは5月に予定の遠足費に充てる予定。今年はハルカが友達とクッキーを売りたいというので、私もお手伝い。当日の朝に、クッキーを大量に焼かないといけなかったので、前日から準備ができるアイスボックスクッキーを作ることにした。マーシャルでは売っていないサクサクなクッキーを、5枚ずつ小袋に入れラッピングし(日本人的!)1袋1ドルで販売した。
ハルカのクラスのブースには、TMくんのママもお手伝いに来ていて、時々おしゃべりしながら一緒に売った。TMママが作って持ってきたものは、ルゴルというマーシャルでは一般的なココナッツミルクの甘い飲み物。これがとても人気だった。1杯50セントという価格もお手頃なせいか、TMママが「ねえ、ルゴルあるわよ」と通りすがりの人にマーシャル語で声をかけると、たいていの人は買う。ルゴル最強(笑)。TMママのルゴルは一番最初に売り切れとなった。
私のクッキーもだいぶ売れた。ヤードセールが始まってから3時間ぐらい経つと暑いし疲れて、子供たちはもう帰りたいと言い始めた。フード系を全部売り切ってしまえば帰れると思ったので、残りのクッキーを全部コウの担任の先生に安くたたき売りして完売にし、引き上げてきた。全部で約80ドルの売上になり、全額を学校へ寄付した。その後、クッキーを買った人から「すごくおいしかった!」とか、「レシピを教えてちょうだい」と言われて、嬉しい思い出となったヤードセールだった。


教育週間

先月、マーシャルでは教育週間という一週間があった。教育省が主催となり、教育や勉強に関するさまざまなイベントが学校対抗で行われた。その一つに算数大会があった。これにハルカが学校代表で選ばれ、大会で問題を解き、4年生の部で3位になった。素早い計算力を競うテストだったようで、日本の小学校で勉強をしている子たちに比べたら全然かなわないレベルだと思うが、「私は算数できるんだ!(マーシャルでは)」という自信をつけてあげられたので良かった。
別の日には、サイエンスフェア(理科の実験発表)、マーシャル語スペリング大会も開催されていた。サイエンスフェアには、ハルカのクラスが参加していたので見に行った。広い会場に汗をかいた子どもたちがいっぱいで、入った瞬間、運動部の部室のような臭いが...。それに堪えてハルカたちの実験を見に行く。「洗剤で走る船」という実験を見せてもらった。サイエンスフェアも学校対抗で、優秀なクラスは表彰されていた。残念ながらハルカのクラスは表彰されなかったけれど、学校の全校集会で、頑張りましたね!と校長先生からクラス全員が賞状をもらった。こちらの学校教育は日本に比べるとずいぶん適当というか、物足りない面と感じることも多いけれども、生徒をみんなの前で褒めて自信をつけさせる機会が多いという点は、良いことだと思う。

サイエンスフェア↓

ハルカのクラスの実験↓

おにぎりファン

このところずっと、ハルカは学校へ毎日簡単なランチを持っていっている。基本は、おにぎり(またはサンドイッチ)とゆで卵、フルーツという感じ。学校の給食が口に合わず、食べられない日は持参のランチを、食べられそうなメニューの日は両方食べているようだ。生徒のほとんどは給食を食べるので、持参のランチを出していると目立ち、みんなが「何食べているの?」「わたしにも分けて!」と集まってくるそうだ。
私がよく持たせるおにぎりは、最近我が家で人気の「塩昆布+ゴマ油」の混ぜご飯おにぎり。マーシャルの子は昆布なんて見たことも食べたこともないので、「ウッ!それ何?ミミズ??」と聞かれるらしい。そんな質問にもハルカは慣れっこで、「あたしがミミズを食べると思う??これは海藻よ!」と答えておいしそうに頬張っているそう。ハルカの仲良しの友達にだけは、おにぎりを分けてあげていたら、すっかりおにぎりファンになってしまい、今では私はその子の分と二人分のおにぎりを用意している。その子はもし将来自分の家が持てたら、「庭を昆布のおにぎりで埋め尽くすのが私の夢だわ!」とまで言っているらしい...。
大量に日本から持ってきた塩昆布もついになくなってしまい、ハルカには梅干しおにぎりを用意した。梅干しはさすがにお友達は食べられないだろうと私もハルカも思っていたら「食べたい!」というので、酸っぱいよと言って食べさせたら大丈夫だったそう。「おにぎり=おいしい」という図式が出来上がっているのだろうか。すっかりおにぎりファンだね。

民間医療マーシャリーズ・メディスン

マーシャルでたまに聞くのが「ブラックマジック」という言葉。日本語でいうと黒魔術。誰かにブラックマジックをかけられると、その人には急な体調不良や、不運が起こるらしい。怖い!深夜に民家から離れた空き地などで焚火を囲んでいるグループがいたら、それはブラックマジックの儀式をしている可能性大。呪われるのは怖いけれど、この逃げ場のない小さな島社会で、身に余るほどの強い怒りや恨みを抱いてしまった人にとっては、ブラックマジックをかけることで少し気が晴れて本人の精神の安定につながるのであれば、これは精神的な民間医療なんだなと思う。
ブラックマジックは誰でもできるわけではなく、呪術師とされている人物がいないとできない。呪術師は呪いをかけるだけでなく、民間医療も行っている。「マーシャリーズ・メディスン」と呼ばれる薬草を使った手作りの民間薬を作ることができ、これが不思議と効くらしい。飲み薬もあるけれど、塗り薬の効き目は評判があるようで、ココナッツオイルをベースに薬草を調合して作る。これでおできが治った、皮膚病が治った、という話もよく聞く。
さて、コウが幼稚園から謎の皮膚病をもらってきてしまった。病院に行ったけれど、こちらにはきちんとした皮膚科がないので検査もできず、正確な病名は不明。病院の先生によると感染する皮膚病のようで、痒い小さな湿疹が腕と足にできた。早めに病院に行ったのに適切な処置を受けられず、症状は悪化する一方で、痒いプツプツが全身に広がってしまった。マーシャルではよくある皮膚病のようで、人に相談すると「ああ、それならウチの子もかかったことある。病院の薬はなかなか治らないけれど、マーシャリーズ・メディスンならすぐ効くわよ」と3人から聞いた。
ちょっと試してみたいなあと思っていたところ、コウのクラスの補助のマーシャル人先生の親類が薬を作れるそうで、コウの薬を作ってくれることになった。早く塗りたかったけれど、頼んでからすぐにはできない。それはわかっていたが、週明けにはできるかなと期待していた月曜日、「週末は酒を飲んでしまって薬を作れなかったの。今週作らせるわ。」と先生。薬を頼んでから10日程経過し、その間に病院で担当医を変えてもらって処置も変わり、おかげでコウの皮膚の症状も快方に向かっていた。
そしてついにマーシャリーズ・メディスンも作ってきてもらい、手に入れることができた。この薬はただの民間薬ではなく、コウのために特別に作ったものだから、ルールを必ず守らないといけないとのこと。そのルールとは、コウの両親以外の人は誰もこのボトルに触れてはいけない。子供たちもダメだし、他人もダメ。母親か父親が手にオイルを取り、コウに塗ること。もしコウ以外の誰かがオイルを必要としたら、母親か父親の手で塗ってあげるのはOKだけど、ボトルを手渡して使わせるのはダメ。オイルがなくなったボトルを捨てるのもダメ。もしルールを破ると、薬の効き目がなくなるから必ず守るように注意された。どうやら、おなじない込みの薬のようだ。いろいろな薬草らしきものが入ったボトルのキャップを外して中を見てみると、人の毛が一本入っていた。これは....ただゴミが混入しただけなのか、これもおまじないの一種なのか...。とりあえず、足にだけ塗って様子をみたら、皮膚病に効いているかはどうかは不明だけれど、アトピーの部分にはよく効いているようだ。塗ると痒みが治まるし、肌がベタベタしないので、コウは気に入っている。なかなかスッキリと完治しないので、早く治ってほしい。

↓マーシャリーズメディス

ネット断ち約3週間

気がつけば、久しぶりの更新となってしまいました。その訳は、年末よりマーシャルの国全体でインターネットが使えなくなっていたから!グアムから引いている海底ケーブルに修理箇所が見つかりその工事をする為、12月末から1月にかけて当初は10日間、国全体でネットが使えなくなる予定だった。まあ、そこは予定通りにいかないのがマーシャル。我が家でネットが使えなくなったのは予定されていた開始日の翌日からだったが、なぜか地域によって時差があり、最後まで使えていた人は我が家が不通になってからも、4日後まで使えていたらしい。工事の終了日も延期、延期を繰り返し、ようやく3週間後に完全に元通りにネットが使えるようになった。
ネット不通で、個人は我慢すればいいが、会社では今の時代、ネットがないとメールチェックすらできず、仕事にならない。銀行は送金業務はできないので停止する、クレジットカードがどの店でも使えなくなる、など予想以上に混乱をきたした。10日以上ネットが使えない状態が続くと、さすがに困る人が増えて「電話局、どうにかしろ!」という声が大きくなった。電話局は急遽オーストラリアから回線を購入して、政府機関や会社などネットが必要なところに「今日は〇時から1時間だけ」という具合に順番に時間制限をして使えるように緊急措置をした。最初からそうすればよかったのに…。これも何時から使えるようになるのかは事前に教えてもらえず、会社にいると電話局から「今から1時間使えるぞ!」と急に連絡がきて使える、という状況。すべてが、さすがマーシャル!という出来事だった。
というわけで、年末年始はメールも、SNSも、Youtubeもなし、パソコン・スマホタブレット端末を全く「見なくていい」状態だった。ネット断ち1日目はまだつながるかな?と気になり見ていたが、完全に諦めた2日目からは、これまでネットに使っていた時間が、新たな自由時間として使えるようになり、時間が増えて妙にすがすがしい気分で良かった。子供とおもちゃでじっくり遊んだり、一緒にお料理したり、夜はDVDで映画をみたりして過ごし、みんなでハリーポッターを1〜6まで観た。家族ではいい時間が過ごせたと思う。逆に不便だったことは、気軽に料理のレシピ検索ができない、病気の症状などを調べられない、日本の家族に国際電話以外の手段で連絡ができない、日本のニュースが全く入ってこないので完全に浦島太郎になれるなど。
3週間ネット断ちすると今度はその生活に慣れてしまい、ネットが復旧した後は「ネットのために自分の時間を使わなくてはいけない」という感覚になってしまった。他にすることがたくさんあるので、メールやSNSに時間を取られるのが面倒、と感じるように。完全にネットに対する考え方が変わったのは確かで、今後は自分で便利な部分だけ選んで使っていきたいと思う。

↓年末はレゴでかなり遊んだ。介による「100人乗っても大丈夫!」なレゴの作成。

賞品でランチ

学校のハロウィン行事でハルカが賞を取り、ローカルレストランの25ドル分のお食事券をもらった。学校が休みの土曜日、このお食事券を使って、ダールレストランにランチを食べに行った。25ドル分あるとけっこう注文できて、ハルカはチーズバーガー、コウはロコモコ、私はハワイアン・テリヤキチキンと、アイスティー2つを頼み、3人でお腹いっぱい食べることができた。こんなに食べても、お代はハルカのおごり!いつものランチと違って、みんなで幸せな気分になった。最初は学校が出す賞品なのに現金や商品券というのはどうなの?と思っていたけれど、前言撤回。実際にお食事券を使ってみると、家族で嬉しい食事ができたので、こういうのもいいのではないかと思った。


↓チーズバーガーとキムチライスのロコモコ

↓ハワイアン・テリヤキチキン

1歳の誕生日会へ行く

大人たちのダンス

先日、久しぶりに1歳の誕生日会(ケーメン)に行ってきた。1歳になったのは、会社の従業員ガードナーの娘。ガードナーは30才半ばで会社で既に10年以上働いている。ケーメンに呼ばれたときに「ガードナーにまだこんな小さい子がいたんだ〜」と思ったので、子供が何人いるのか聞いたところ、全部で8人!いつの間に!マーシャルにいると自分と歳が近い人で子供が5人以上いるのは珍しくなく、私でいうとハルカとコウの間に2人ぐらい産んでいる人もいる。自分の子供が8人もいる暮らしというのは自分でも想定していないことだから全く想像できないのだけれど、ふと私にそういう人生もあったのかなあと思ったりする。
子だくさんでも、1歳の誕生日は毎回盛大にお祝いをするのがマーシャルの風習。この日もお客さんが150人ぐらい来ていた。これだけの人数分の豪華な食事を用意するだけでも大変なこと。親戚のメンバーや自分が所属する教会の人たちが総出でお手伝いをしていた。全部で4時間ぐらい続く誕生日会、後半の2時間だけ参加して帰ってきた。お誕生日の子が元気に大きくなるように願っている。

↓子供がダンスを披露

↓見慣れない日本人が来た、と子供たちが集まってくる

↓お土産にもらったBBQプレート。ローカルフード山盛り!