HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

前髪の依頼

マーシャルの公用語は、英語とマーシャル語。英語よりマーシャル語のほうが通じる人もわりといるけれど、私が生活する範囲では英語でだいたいの事が済むので主な会話は英語。誰かと会話をしていて、知らない英単語が出てきたとき、多くの人がそうしているのだろうけれど、会話の流れから意味を推測したり、「えっ?○○ってどういう意味?」と聞いて相手に説明してもらう。それで会話に困らない程度に理解できることが多いけれど、時には全くわからず困ることもある。
先日、ハルカの友達が家に遊びに来たとき、全く意味がわからない英単語に出会った。その単語は"bang"。タミシャが私に「ねえ、私お願いがあるんだけど」と言ってきた内容は、「私にもbang(バンと聞こえる)作ってくれる?ハルカが持っていてステキだなと思って私もほしいのー。いい?いい?」。バン(bang)が何なのか全くわからず、バンって何?と聞いても、相手が小学生だから適切な言い換えもしてくれず「ねえ、私にもバン作ってー」と言い続け、私は訳がわからないまま。ハルカに通訳を頼むと、bang=前髪と判明。え!「前髪作って」ということは、髪を切ってくれという依頼だったのか…。
「ハルカのかわいい前髪はいつもママに作ってもらっているって聞いたから、私にもやってほしいのー」とタミシャは言う。そういえば、学校でマーシャル人の女の子は前髪を作らない子が多くて、ハルカのようなパツンと切り揃えた前髪は少数派。ショートヘア女の子はほぼいないし、前髪も伸ばして後ろ髪と一緒に束ねるのが普通。タミシャの髪の長さはお尻ぐらいまであるので、前髪を切るといっても50cm以上切らないといけない。これは…。勝手に切るわけにはいかないでしょ。「タミシャのママがいいと言ったら切ろうね」ということで、この件は保留にしてもらった。

↓週末の風景