巣から落ちた小鳥

家の横にある高い木の上のほうに真っ白な色をしたカモメたちの巣があり、ときどきクウェークウェーと鳴声が聴こえてくる。先日の夜、外でトラがいつもと違う感じでうなっていた。様子を見ようとドアを開けたら、玄関前にちょこんとカモメの小鳥が座っていた。嵐のような雨と風で荒れた天気が続いていたので、小鳥が巣から落っこちてしまったようだ。まだ飛べないらしく、ヨチヨチと地面を這うようにして移動する。夜間はウチの玄関前にいたが、昼間になると自分が落ちた木の根元地点に移動して、親の助けを待っていた。上空を見ると、親鳥が木の低い位置に止まったり、低空飛行をして小鳥を必死に探していた。その後、小鳥のすぐ近くに親鳥が待機していたので親子は会えたようだが、飛べない小鳥が巣に戻るのは到底無理そうだった。
それからしばらく家の敷地内に住んでいた小鳥ちゃん。トラも居候を認めて吠えなくなった。私たちもどうすることもできず、静かに見守っていたのだが、3日目に突然姿を消してしまった。庭を探したら、いつも小鳥が座っていた木の下の場所にたくさんの羽だけが落ちていた。天敵に襲われたかな･･･という状況。かわいい小鳥だったのでショックだったが、自然と生きることの厳しさを感じた出来事だった。