HERE COMES THE SUN

太平洋の南の島マーシャル諸島からの日記です

警察署

警察署

外国人としてマーシャルで暮していると1年に1回、ビザ(滞在許可証)の更新をしなくてはならない。これが年々、厳しくなって提出書類が増えていて、新規申請も更新も同じ分量の書類を提出しなければいけないという煩わしさ。今年からは子どもたちの健康診断書に加えて、無犯罪証明証も警察で取得するように、とのこと。5歳の子供に犯罪歴なんてないだろうに必要なの?と思うのだが、再度確認しても移民局職員が必要だと言うので、書類を申請して取りにいくより他にない。
というわけで、子供たちを連れてマーシャルの警察署へ行った。おじさんが警察で働いているという会社のマーシャル人女性に、一緒に付いてきてもらう。マーシャルでは関係者の知り合いに同行してもらうだけで、手続きが本当にスムーズに進むので、無駄足をしなくて済む。
私は免許更新などで警察署に何回か来たことがあるが、子供たちは初めて。マーシャルの警察署内には、留置所があり、これが刑務所も兼ねている。つまり、留置所と刑務所がひとつの牢屋になっている。ちなみに、女性の留置所及び刑務所はないので、女性は刑務所に入ることはなく、裁判で懲役になっても"House Jail"という家から外出禁止の刑(ただし生活のための買い物と教会はOK)になるだけ。男性の囚人の中にも、夜だけ家に帰っていい人もいるらしい。なんだか刑もゆるい感じのマーシャル。
警察署に入って受付の真横に細い廊下があり、その突き当たりが牢屋。風通しのためか牢屋に続くドアはいつも開け放たれている。ときどき鉄格子まで開いてしまっていることもあるらしい。薄暗い牢屋や鉄格子越しの囚人が見えているし、たいてい囚人もこちらの様子を見ている。見えるだけでなく、1週間お風呂に入っていない人間の臭いも漂ってくる。絶対入りたくない...と思わせる場所だ。
受付で待たされている間に子供たちに、あれが牢屋だよ、警察に捕まった人が入る場所だよ、と教えた。コウは特にびっくりした様子で神妙な顔で牢屋のほうを見ていた。しばらくして、「ママ、牢屋に〇〇さんがいる」と教えてくれた。いやいや、日本人のお友達〇〇さんは捕まっていないと思うよ(笑)。それ以来、コウは自分や家族が警察に捕まらないように心配して、気にするようになった。車でスピードを出しすぎるとスピード違反で捕まることがある、と知ってからは、車のスピードメーターを見て運転中のパパに、ちょっとスピード出しすぎじゃない?と言うようになった。「警察に捕まるようなことは絶対しない」ということを感じてもらっただけでも、教育効果はあったように思う。